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Blindfold
第31章 結果オーライ
部屋の中に入って、押し入れを開いた私は、例の紙袋を掴む。
これを巡って、何だか色々振り回されてしまったけど……
結果オーライといえばオーライだったのかもしれない。
ベッドのそばに畳まれたメイド服を見ながら、何とも言えない気持ちが湧き上がる。
まぁ感謝するのもおかしいけど……
「お待たせしました」
「あ、ありがとう」
慌てた拓也さんは、私から急いで紙袋を掴む。
その反動で、ビリと音が響いて、私も拓也さんも目を大きく開いた。
「や、やばっ…」
慌てて袋を抱えた拓也さんは、泣きそうな顔をしながら私のことを見つめる。
ここでぶちまけられたら私だって気まずい。
「なにか、袋、ないかなっ……」
「どっかにあると思います…けど……!」
「ちょっと、中入ってい!?」
そう聞きながら拓也さんは素早く靴を脱いで中へ入っていく。
私もどこかに袋がないかと頭をフル回転させて再び部屋の中へ入っていった。
「えっと…あーーっと…」
ちょうど誕生日の飾りだとか色々買ったから袋はあるはず。
それを見つけた私はパン!と手を合わせて、それを掴み、すかさず拓也さんに渡した。
「あ、ありがとう!」
ホッとしたのも束の間、中身を入れ替えるのを躊躇っている拓也さんに気付いた私は「あーー」と声を上げてトイレへ向かった。
「私ちょっとお手洗い行きますねー」
「あ、お、おっけー!」
再びホッとした様子を見せた拓也さんを尻目に、私は行きたくもないトイレへ篭った。