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Blindfold
第31章 結果オーライ
とりあえず、気まずい状況を脱せて良かった。
ある程度の時間を待って、トイレから出た私は拓也さんの様子を見ながら、そっと部屋へと戻った。
「…えーーっと…大丈夫そう、ですかね…?」
ゆっくり声を掛けるのと共に、拓也さんがじっと見つめている先を目で追った私は、「あっ」と小さく声を漏らした。
それは紛れもなく昨日来たメイド服で…
大きく目を見開きながらゆっくりと顔を私の方に向けた拓也さんは、やはりメイド服を指差しながら「あれって…」と言葉を続けた。
「桜ちゃんの?」
「あ、いや、あの、えーっと、なんていうか」
言い訳をしようと言葉を探すけど全くいい言い訳がない。
当たり前だ。ベッドの脇にメイド服が置いてあることに対していい言い訳なんかあるわけない。
「うわぁ…まじか…うわぁ…」
ぶつぶつと呟いた拓也さんは、キラキラした目を私に向ける。
「いやぁーそうだよなぁ。桜ちゃん絶対似合うよなぁ…!」
「え、いや、っ……」
「達也も趣味じゃないとか言って趣味なんじゃん……なんだよあいつー。くそぉ…うらやましいぃ……」
もはや、拓也さんは自分の趣味趣向を隠すつもりはないんだろうか…
「いや、あの……っ…店長はこういうのが趣味ってわけじゃないと思います…けど…」
「えっ!? じゃあ桜ちゃんの趣味!?」