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Blindfold
第31章 結果オーライ
さらに目を輝かせてくる拓也さんに、「うっ」と息を詰まらせる。
「趣味ってわけじゃないんですけど……。あの…なにかと、お店のイベントとかで、衣装的なものを着たりとか…」
「……え…! この店ってそんな日あるの!?」
ない。
ないのだけど、そういうしか道が残されていない。
「……まぁ、あの…たまーーに、ですけど」
こんな話で誤魔化されてくれるんだろうか。
私は嘘つくのが上手くない。
でも、拓也さん相手ならもしかして……
「うわぁ〜そうなのかぁ知らなかったよ…コスプレの日があるってことか〜」
騙されてくれた……………。
ハハ、と適当に笑うと、拓也さんは「そっかそっかぁ」と呟きながら立ち上がった。
「今度その日があったら行くわ!」
「あ、え、はい。ぜひ!!」
そんな日は一生来ない。のだけれども。
「まずいね、思ったより長居しちゃった。下、戻らないとね」
「はい……」
「手間取らせてごめんね」
ニコリと微笑む拓也さんに私は引き攣った顔を見せながら拓也さんと一緒に下へと降りていった。