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Blindfold
第31章 結果オーライ
改めてふぅと息を吐いた私は、店に着くとチラと店長に目配せをした。
そして、カウンターに入って、大丈夫だった、ということを意味するように頷くと、店長は呆れた様子の表情を見せた。
「………随分掛かったな」
「ん……まぁ…色々あったんですよ」
こっちの苦労を知らずに……。
袋を大事そうに持ったまま降りてきた拓也さんは、席に戻ると「おい、達也!」と声を上げた。
「ん」
「お前さーー! この店もコスプレの日とかあるのな。俺にも教えろよ!」
「は……?」
「いや、だから────」
「──── 私が! 言うようにするので…!」
遮って私はそうフォローし、再びチラと店長に目配せする。
すると店長はしばらく私を見つめると何もかも見抜いたように、クッと声を詰まらせた。
その一部始終を眺めていた幸さんはグラスを持ちながら、頬杖をついて少し面白そうに拓也さんを見た。
「なぁにコスプレって」
「いや、上にメイド服があったんで桜ちゃんに聞いたら──」
ギョッとした私と店長は慌てて拓也さんを止めようとするけどもう遅い。
相手が拓也さんならまだしも、勘のいい幸さん相手なんて……