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Blindfold
第5章 ナンパの男
自分の家に戻った私は、そのまま脱衣所へと向かった。
逃げるように樹の家を出たから、シャワーを浴びていない。
「あ……」
ジーパンを脱ごうとして、ポケットに手を入れる。
昨夜もらった名刺。
裏にはLINEのIDが記されている。
今夜はバイトがない。
樹の家には、戻れない。
そして…
───────いつになったら 薫は 目覚めるんだろう…
「っ……」
好きな人は
いつまで経っても私のことを見てくれない。
強い女になりきれない。
だから「寂しい」という単純な気持ちが私を苦しめる。
そして、私はスマホを取り出して、LINEを開いた。
検索したら、すぐに「北野 悠」という名前が出てきた。