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Blindfold
第5章 ナンパの男

曇りが取れた鏡。
そこに映った自分の姿に目を見開いた。
私って、こんなだっただろうか…
らしくない。
髪は肩に付くか付かないかくらいの長さが好きだったのに、もう胸に掛かりそうなほどに髪は伸びてしまった。
好みではないラメの入ったアイシャドウ。
少し痩せたかな…
知らぬ間に私から私が消えている──
まるっきり『薫』という人間になろうとしているせいで
心と身体がちぐはぐだ。
見ていられなくて、シャワーを頭に当てた。
汚い
汚れている
誰のものかも分からないこの身体が──…

