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Blindfold
第5章 ナンパの男
浴室から出て、タオルで身体を拭いた。
ずっと気分が晴れない。
こんな状態がこの先も続くのかと思うと、余計に気持ちがふさぎ込む。
そんなとき、ピロンとスマホがなって画面が光った。
手が少し濡れていて、操作がスムーズに出来ない。
そして開いたLINEは、北野悠からの返信だった。
『おねえさん、桜って言うんだ』
よく私だって分かったな…
『今夜ね。じゃあどこかで飲もう』
あとから続けて送られてきたメッセージに思わずスマホを握る力が強くなる。
前髪からは、水滴が滴っていた。
飲むのか…
『それとも』
再びメッセージが画面に現れた。
『直でホテルに行く?』
しばらく考えた後、
私は『じゃあそっちで』と返信して服を着た。