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Blindfold
第5章 ナンパの男
「とし、そんな変わらないだろうし」
「それはそう…だけど」
「『悠』って呼んで」
「………呼ぶこと、ないと思う」
無理にため口で答える。
そして、ベッドに座るのはおかしい気がして、近くにあったソファーに座った。
「呼ぶこと、なくはないだろ」
余裕そうに、彼が笑う。
「これから、俺たちセックスするんだよ?」
「………まぁ」
「セックスするのに、他人行儀で、名前は呼ばないしって、変じゃない?」
「突然セックスすることがもう既に変だと思うけど」
「それは言えてるな……」
そう言いながら、彼は、ふん、と呟いて顎に手を当てている。
まつげが長い、とか、そんなことを思う。
そして、ベッドに腰を下ろした彼は、ネクタイを緩めながら、私の方を見て笑う。
「こっちくれば?」