この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Blindfold
第5章 ナンパの男
息が出来なくなってきた。
さっきまでは、緊張していたから…
でも今は違う。
私を押し倒した悠は、笑ってない。
無表情のまま、私のことを上から見つめている。
「桜は、俺に何か期待してる?」
期待…
私は…
固まってしまった私をみて、悠は、残念だな……と小さな声で洩らした。
そして、そのまま私から身体を離して、ソファーに座った。
何が起きたのか
違う。
なんで何も起きなかったのか分からないまま
私は身体を起こして、黙って悠に視線を向けた。
「勘違いしないでよ。桜はいい身体してる。正直抱きたい」
じゃあ…
「なんでっ…」
抱きたいんだったら抱けばいい。
そのために、この人は私に声を掛けてきてわざわざ名刺まで渡してきたんじゃないのか。