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Blindfold
第6章 迷子
「私の話……全然大丈夫じゃないですよ」
「いや、そういう意味じゃなくて」
私の頭のタオルを掴んだ店長は、優しく微笑みながら、私の頬の水滴を拭った。
「どんな話でもちゃんと聞いてやるから」
「────っ…」
「だから大丈夫だって、そういう意味」
目が熱くなって、また溢れそうになった涙を店長がまた拭った。
久々の安心感に身を任せて私は語り始めた。
大好きなお姉ちゃんがいること。
幼馴染のかずにぃと樹。
私は昔からかずにぃのことが好きででも、かずにぃはお姉ちゃんのことが好きで…。
結婚式のこと。
そして、事故。
お姉ちゃんは眠り姫となり罪悪感に苛まれるかずにぃを誘って堕ちた禁断の関係。
埋まらない孤独感から樹を利用していること…。