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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第2章 【邂逅~めぐり逢い~】
値段も手頃だったため、その場で金を払って引き取ったのだ。
―それにしても、王の妃の持ち物だったほどの値打ち物なら、宝物館かどこかに収まっているべきものでしょう? そのような由緒ある品が言っては失礼だが、こんな露店の店先に転がっているはずがない。あなたのお話が本当なら、この簪は今、あなたが私に提示した値段の百倍どころか値段もつけられないほどの価値があるはずですよ。
品物を受け取りながら父が店主に言うと、老人は意味ありげな笑みを浮かべた。
―それにしても、王の妃の持ち物だったほどの値打ち物なら、宝物館かどこかに収まっているべきものでしょう? そのような由緒ある品が言っては失礼だが、こんな露店の店先に転がっているはずがない。あなたのお話が本当なら、この簪は今、あなたが私に提示した値段の百倍どころか値段もつけられないほどの価値があるはずですよ。
品物を受け取りながら父が店主に言うと、老人は意味ありげな笑みを浮かべた。