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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第3章 【一人だけの結婚式】
鶴のひと声で、王の乗った輿はまた静々と進んだ。お付きの者たちもまたぞろぞろと付き従う。物陰に輿を止めさせ、王は愉快そうな表情で厳粛に執り行われる儀式を見物している。
と、突然、王が輿を降りようして、傍らの内官は狼狽えた。
「殿下、どうなさるおつもりにございますか」
「臨女官の許にゆく。丁度、固めの杯を呑んでいるところではないか、花婿のおらぬ婚礼は淋しかろう。予が参って、その役を果たそう」
と、突然、王が輿を降りようして、傍らの内官は狼狽えた。
「殿下、どうなさるおつもりにございますか」
「臨女官の許にゆく。丁度、固めの杯を呑んでいるところではないか、花婿のおらぬ婚礼は淋しかろう。予が参って、その役を果たそう」