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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第3章 【一人だけの結婚式】
莉彩は咄嗟に脇に身を寄せ、深々と頭を下げた。莉彩のような新参の女官―しかもまだ見習いの身では、王の尊顔を拝し奉ることも畏れ多いのだと崔尚宮から教えられた。
賑々しい一団が次第に近付いてくる。
行列がまさに眼の前を通り過ぎようとしたその一瞬、鋭い誰何の声が頭上から飛んできた。
「そなたは、どなたにお仕えする女官だ?」
思わず身を強ばらせ、震える声で言上する。
「崔尚宮さま(チェサングンマーマ)にお仕えしております」
賑々しい一団が次第に近付いてくる。
行列がまさに眼の前を通り過ぎようとしたその一瞬、鋭い誰何の声が頭上から飛んできた。
「そなたは、どなたにお仕えする女官だ?」
思わず身を強ばらせ、震える声で言上する。
「崔尚宮さま(チェサングンマーマ)にお仕えしております」