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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第3章 【一人だけの結婚式】
人気のない庭園の一角まで来て、王は漸く立ち止まった。それでも、王はまだ莉彩の手を放そうとはしない。荒い呼吸をしながら、莉彩は消え入るような声で言う。
「殿下、手を―お放し下さい」
「何ゆえ、そのように急に畏まる。出逢ったときのように、威勢良くなくては莉彩らしいくないぞ?」
王は笑いながら、やっと手を放してくれた。
「まさか、あなたさまが国王殿下だとは思いもしませず、ご、ご無礼の―」