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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第3章 【一人だけの結婚式】
緊張と愕きに思わず声が上ずり、あまりの情けなさに涙が零れた。
あまりにも迂闊だったと思う。よくよく振り返れば、宮殿に住めるのは、まだ成人前の幼い王子だけで、一人前になれば王子たちは皆宮廷を去り、王子宮を構えるのがならいだ。
なのに、〝あの方〟を単なる王族の一人だと思い込んでいた自分はやはり劉尚宮のいうように、とでもない粗忽者だ。
「―泣いているのか?」
ふいにすぐ真上から声が降ってきたかと思うと、莉彩の身体はふわりと抱き寄せられた。
あまりにも迂闊だったと思う。よくよく振り返れば、宮殿に住めるのは、まだ成人前の幼い王子だけで、一人前になれば王子たちは皆宮廷を去り、王子宮を構えるのがならいだ。
なのに、〝あの方〟を単なる王族の一人だと思い込んでいた自分はやはり劉尚宮のいうように、とでもない粗忽者だ。
「―泣いているのか?」
ふいにすぐ真上から声が降ってきたかと思うと、莉彩の身体はふわりと抱き寄せられた。