この作品は18歳未満閲覧禁止です
約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第4章 【接近~近づいてゆく心~】
莉彩は唇を噛みしめた。それでも、このまま黙っているわけにはゆかない。莉彩一人なら、傷つくほどの体面も何もあったものではないが、王にまで迷惑がかかるかと思うと、あまりに哀しかった。
「大妃さま、どうかお聞き入れ下さいませ。私と殿下の間には、真に何もございません。誓って、疚しいことなど何一つないのです」
とにかく誠心誠意言葉を尽くすしかないと思い、莉彩は同じ科白を繰り返した。