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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第9章 契り
大殿まで来たときには、あまりに急いだせいで、脚自慢の花芳も息が切れていた。
大殿付きの内官に国王殿下に取り次いで欲しいと話すと、年嵩の内官は三人を見て露骨に眉をしかめた。それにしても、厳格で知られる劉尚宮がこの場にいなかったのは、せめてもの幸いだった。
「国王(チユサン)殿下(チヨナー)、女官の守花芳がお目通りを願っております」
内官が部屋の外から声をかけると、ほどなく〝入れ〟と声が返ってきた。