この作品は18歳未満閲覧禁止です
約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第9章 契り
扉が内官たちによって開かれ、その隙に花芳が臨女官をおぶった女官と共にすべり込んだ。
本来なら、花芳のような下級女官が国王の尊顔を拝し奉ることはない。国王も訝しげな表情ではあったが、平素から身分に拘ることなく誰にでも親しげに声をかける人柄で知られている。たとえ一介の下っ端女官でも自ら面会を求めてきたからには、逢ってやろうと思ったのだろう。
これが劉尚宮がいれば、必ず王にお目通りは許されなかっただろうが。