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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第10章 【対立】
王が破顔した。
「大抵の女なら、予がこう申せば、ここぞとばかりにねだり事をしてくるものだが」
更に含み笑いをしながら付け加えることも忘れない。
「もっとも、予は、そなたのそんな欲のない慎ましやかさが好きなのだ」
莉彩の頬がうっすらと染まる。
「殿下、お願いでございますゆえ、先刻のようなお話は二度となさらないで下さいませ」
なおも訴える莉彩の髪を愛おしげに撫で、王がしきりに首をひねる。