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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第10章 【対立】
「つくづく欲のないおなごだな」
そう呟く王の横顔は、心なしか憔悴の色がありありと見えた。
既に夜半過ぎ、室内は龍が浮き彫りにされた国王専用の蝋燭が赤々と燃えている。が、王の顔色が悪いのは、その光の加減だけではないようだ。
「殿下、今宵はお顔の色が優れませんが、お疲れなのではございませんか?」
莉彩はずっと気になっていたことを口にした。本当を言うと、今夜だけではない、ここひと月ばかりの間で、王は随分とやつれた。
そう呟く王の横顔は、心なしか憔悴の色がありありと見えた。
既に夜半過ぎ、室内は龍が浮き彫りにされた国王専用の蝋燭が赤々と燃えている。が、王の顔色が悪いのは、その光の加減だけではないようだ。
「殿下、今宵はお顔の色が優れませんが、お疲れなのではございませんか?」
莉彩はずっと気になっていたことを口にした。本当を言うと、今夜だけではない、ここひと月ばかりの間で、王は随分とやつれた。