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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第14章 ♦MooN Light ♦
漸く騒がしかった音が止み、遮断機が持ち上がる。走り去ってゆく電車のテールランプが遠く小さくなってゆくのを見送りながら、莉彩は笑った。
「電車、行っちゃったね。少し寒いけど、次の電車を待とうか」
再び息子の手を今度はしっかりと握りしめたその時、莉彩の視界が揺れた。
それは空間―眼に映る光景がグニャリと歪んだような感じだった。莉彩は思わず手のひらでこめかみを押さえた。