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約束~リラの花の咲く頃に~Ⅲ Love is forever
第14章 ♦MooN Light ♦
不安と恐怖で叫び出しそうなるのを堪(こら)え、莉彩は忙しなく視線を動かした。
その部屋にはどこか見憶えがあった。
蓮の花を墨絵で描いた屏風、色鮮やかなピンクの座椅子と脇息。
莉彩は慌てて周囲を見回した。やはりという想いが押し寄せる。ここはかつて莉彩が一時期―十四年前、初めてこの時代に来たときに入宮するまで過ごした部屋であることは間違いなかった。
そう、ここは臨尚宮(イムサングン)の住まいだ。正確にいえば、臨尚宮の弟臨内官(イムネイカン)の屋敷である。
その部屋にはどこか見憶えがあった。
蓮の花を墨絵で描いた屏風、色鮮やかなピンクの座椅子と脇息。
莉彩は慌てて周囲を見回した。やはりという想いが押し寄せる。ここはかつて莉彩が一時期―十四年前、初めてこの時代に来たときに入宮するまで過ごした部屋であることは間違いなかった。
そう、ここは臨尚宮(イムサングン)の住まいだ。正確にいえば、臨尚宮の弟臨内官(イムネイカン)の屋敷である。