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◇なななの短編◇
第7章 【近くて遠い書籍化記念】Trick or Sweet
目を大きく見開いた光瑠は、少しの間だけ黙ると、慌てて自分のジャケットを脱いで、真希の肩に掛けた。
「いい加減にしろ!! なんでそんな格好をっ……」
そう怒鳴りつけながら、再び真希の衣装をじっくりと見つめる。
ダメだ。
これは絶対にダメだっ…
「だぁっ!!!!!」
突然獣のように叫び出した光瑠にみんなが目を見開く。
「なんのつもりだ!! ふざけた幽霊だのドラキュラだのゾンビだのっ……お前はっ…」
チラと真希を見て羽織らせたジャケットのボタンを光瑠は勢いよく閉めた。
「一番むかつくのはお前だ!! 酒田!!」
ひぇっ⁉︎ と声を上げた秘書の酒田は少し後ずさる。
「何に扮しているのかも分からない! なんだそのオレンジの塊はっ!!!」
理不尽に怒鳴られた酒田は目を潤ませる。
「ひどいなぁっ……どう見たってカボチャじゃないですかっ…!」