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◇なななの短編◇
第7章 【近くて遠い書籍化記念】Trick or Sweet
「それでっ……具合はっ……! 」
真希の肩を掴んで迫る光瑠。
あまりの迫力に真希は言葉を失う。
「えっと……今日はっ……もう寝ていてっ……」
「なんてことだ……」
さっきまで怒って真っ赤だった顔を真っ青にさせて、光瑠は頭を抱えた。
その姿はまるでこの世の終わりだ。
「医者には見せたのかっ」
「は、はい……寝てれば治るって……」
「信用出来ん。名医を連れてくる」
すかさずオレンジの塊に視線をやった光瑠。
「酒田、今すぐ小児科の名医を探して連絡してくれた」
「えっ、…あのっ……」
「グズグズするな!! 望の命が懸かっているんだぞっ!!!!」
「は、はい!!」
あまりの親バカ加減に、みんなが口をあんぐりさせていた。
そんな迫力につられて返事をしてしまった酒田もどうして良いか分からずドタバタとしている。
「あ、あのね、光瑠そうじゃなくてね……っ、実はね……」