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◇なななの短編◇
第7章 【近くて遠い書籍化記念】Trick or Sweet
慌てた隼人が、シュッとHalloweenの装飾から垂れる紐を引っ張った。
「実は今日は……」
「パーティーなんてしている場合じゃないだろうがっ……!」
Birthdayの文字に切り替わったことすら気付かず、隼人に迫った光瑠。
ダメだこりゃ。
呆れた要は裏に潜んでいた望にQを出して、部屋の中に入れた。
「大体望はどこにいるんだ……っ、ハロウィーンなんてしている場合じゃない! 早く側に行って──」
「パパ〜!!!!! おたんじょーび、おめでと〜〜〜!!!!!」
ダダダダダッと勢いよく走った妖精姿の望。
ケーキを持っている手はぷるぷるとしている。
「の、のぞみっ!?」
何となく見えてくる結末。
だけれど、光瑠は風邪だと聞かされた娘が元気いっぱいで自分に目掛けてきていることで頭がいっぱいだ。
「のんちゃんっ……ゆっくりっ……」
「あぁっ!!」
「望っ!!!」