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◇なななの短編◇
第7章 【近くて遠い書籍化記念】Trick or Sweet
抱えていた望を下ろして、光瑠さんはそれを受け取る。
「なんだ……?」
中から出てきたのは……
「これは……」
「にぼしっていうんだよ〜!」
望の言葉に、あ? と光瑠さんは顔をしかめた。
光瑠さんが欲しそうなものは、みんなで考えたけど、全然浮かばなかった。
だって、欲しい物はすぐに手に入れられるだろうし……
だったらってことで、みんなで逆に光瑠さんにあげたいものをあげたのだ。
「なんで煮干しなんだ」
「そりゃあ……ねぇ……?」
要さんの言葉にみんなが頷く。
「なんだ」
「煮干しはカルシウム豊富ですから。いつもカッカされている社長にぴったりの品だと思いまして」
「なっ……なにがいつもカッカされてるだ!」
「あ。ほら」
「っ………たく」
隼人の言葉に閉口する光瑠さんを見て、みんなが笑った。
「これ、とても高級な煮干しなんです」
「そんなことはどうでもいいっ!」