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◇なななの短編◇
第9章 大雪につき(Blindfold)
「こっちは心配してんのに、ムスっとしやがって」
「っ……ムスっとなんかしてないです」
自分でも、素直じゃないというか、天の邪鬼だな…と思うことは多々ある。
でも、そんな風に「心配してる」なんてドストレートに言われたら照れを隠すためにこうしか出来ない。
しかも、そんな態度の私を見て、店長は余裕そうにハイハイって言いながら頭を撫でてくるから余計恥ずかしくてどうしていいか分からない。
「とにかく、こんだけ天気が荒れてる日は、無理してここ来んな」
「……はい…」
「しかも、お前、俺が臨時休業するって分かってたんだろ…?」
まぁ……
「月曜なのもあるし…『めんどくせぇ』とか言いそうだな、と思って」
「分かってんじゃん俺のこと」
そう言いながら、フッと笑った店長の表情に胸がキュンとなった。