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◇なななの短編◇
第11章 さっぽろ雪まつり!(B,近甘,ᙠ)

「大丈夫? 加奈子」
心配そうにそう言いながらもククっと笑っている。
さらりと靡く黒髪に甘いマスク。
もしかして彼、あの時の───…
「だっ…大丈夫です!こんなの慣れてるので!」
加奈子と呼ばれた彼女は顔を歪ませながらも、彼に懸命に微笑む。
「本当に、君からは目を離せないなぁ…」
「っ…すみませんっ……」
ようやく起き上がった彼女は、泣きそうになりながら頭を下げている。
「慣れてるとは言うけど、加奈子が怪我をするのは僕が嫌だから──」
「っ……───」
「僕のためにも怪我をしないでくれるかな?」
「ひゃっ…ひゃいっ…!」
甘い囁きに声を裏返させている彼女を見て、彼はクククとまた笑う。

