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◇なななの短編◇
第11章 さっぽろ雪まつり!(B,近甘,ᙠ)

チラと時計を見た彼は、ああ…と声を上げた。
「そろそろ移動しないと」
「あ、もう約束の時間ですか?」
「うん」
ニコリと微笑んだ二人。
甘い甘いその雰囲気。さっきの若い青春真っ只中の二人とはまた違う。
「もう少し、君と楽しみたいけど…」
彼の甘い囁きは止まらない。
「早く行かないと、隼人に怒られるからね」
「ふふ。隼人くん、副社長のこと大好きですからね」
なんの話だろう。
…でも…聞いてた所で分からないし、聞き耳立てるのも良くない。
そんな事を思って、その場から立ち去ろうとすると、副社長と呼ばれた彼が彼女の体をグッと引き寄せた。
「加奈子は…?」
「えっ……」
「僕の事……どう思ってる?」
「っ……そっ、そりゃあっ……隼人くんと同じように、だっだっ──」
「──隼人と…同じなの?」
「っ………」

