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◇なななの短編◇
第11章 さっぽろ雪まつり!(B,近甘,ᙠ)
「桜」
トントンと肩を叩いて、桜を起こすと、ん…と声を上げながら、目を開けた。
「着いたぞ」
「…え……?」
ぼんやりしてる桜が愛らしくて思わず緩く微笑む。
「ガーガーいびきやばかったぞ」
「えっ…」
「……嘘」
「……うざいっ….」
慌てて目を見開いた桜は、みるみる不機嫌な表情になっていく。
ホント、こいつをいじめんの面白れぇ。
「ほら、いいから行くぞ」
ムッとしている桜の頭を撫でて立ち上がる。すると、桜ははわぁ…と欠伸をしながら立ち上がった。
14時をすぎて、段々と風が冷たくなっている。
この季節の札幌にしては温かいらしいが、やはり氷点下の気温と見渡すばかり雪って光景から寒く感じる。
桜が冷えたりしてないか心配になって振り返ると、大人しくフードを自分で被っていた。
「……何ですか」
「いや……」
……やっと自分から被った。
まぁここで、そんなこと言ったら天の邪鬼だからどうせまたフードを脱ぎ出す。
だから、黙ってそのまま会場に進んだ。