この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
◇なななの短編◇
第11章 さっぽろ雪まつり!(B,近甘,ᙠ)
さっぽろ雪まつりの会場は全部で3つある。
1つ目は、さっき行った大通会場。ここはテレビでもよく映る雪像がたくさん置いてあるところで、メインの会場だ。
そして、ここが、つどーむ会場。さっきのカップルが言っていた通り、ここは雪の滑り台とかがある、遊び場のような会場だ。
あと、もう一つは……
「何しているんですか?」
「ん…いや、ちょっと」
曖昧に返事をしながら、俺はバスの時刻表を見た。
どれくらいここにいるか分からねぇけど、大体の目処くらいは付けとかねぇと…
「帰りのバスですか……?」
「帰りっつーか…。このあと、すすきの会場に行くんじゃねぇか……と……まあ、予想だけど」
「え……あ…まぁ…そうですけど…」
なんで知ってるの?って顔をしている桜を眺める。
「……そっちの方行くバスの時間…見ておいた方がいいかも……な?」
「あー……確かに…」
昨夜、宿の机に置きっ放してあった旅程メモ。
見るつもりはなかったがどうしても気になって、桜が風呂に入ってる間に見たら、案の定細かいところが抜っけ抜けで……
まぁ、こいつなりに調べて色々考えたんだろう。
『今回のプランは私がやるから店長は黙ってて』とか言って張り切ってたし。
ここでメモを盗み見たとか、俺も一応調べたとか言ったら、子ども扱いしないでください!ってまた叫ぶに決まってる。
「……ほら、行くぞ」
「………は…い」
時間を確認した俺は、首を傾げている桜に気付かないフリをして、そのまま会場に向かった。