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◇なななの短編◇
第11章 さっぽろ雪まつり!(B,近甘,ᙠ)


さっぽろ雪まつりの会場は全部で3つある。



1つ目は、さっき行った大通会場。ここはテレビでもよく映る雪像がたくさん置いてあるところで、メインの会場だ。



そして、ここが、つどーむ会場。さっきのカップルが言っていた通り、ここは雪の滑り台とかがある、遊び場のような会場だ。



あと、もう一つは……




「何しているんですか?」




「ん…いや、ちょっと」




曖昧に返事をしながら、俺はバスの時刻表を見た。


どれくらいここにいるか分からねぇけど、大体の目処くらいは付けとかねぇと…




「帰りのバスですか……?」


「帰りっつーか…。このあと、すすきの会場に行くんじゃねぇか……と……まあ、予想だけど」


「え……あ…まぁ…そうですけど…」



なんで知ってるの?って顔をしている桜を眺める。



「……そっちの方行くバスの時間…見ておいた方がいいかも……な?」




「あー……確かに…」




昨夜、宿の机に置きっ放してあった旅程メモ。


見るつもりはなかったがどうしても気になって、桜が風呂に入ってる間に見たら、案の定細かいところが抜っけ抜けで……


まぁ、こいつなりに調べて色々考えたんだろう。


『今回のプランは私がやるから店長は黙ってて』とか言って張り切ってたし。


ここでメモを盗み見たとか、俺も一応調べたとか言ったら、子ども扱いしないでください!ってまた叫ぶに決まってる。



「……ほら、行くぞ」




「………は…い」



時間を確認した俺は、首を傾げている桜に気付かないフリをして、そのまま会場に向かった。

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