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◇なななの短編◇
第11章 さっぽろ雪まつり!(B,近甘,ᙠ)
────────────…
ケラケラと笑いながら、もう何度目か分からない雪の滑り台を滑っている隼人を上から眺める。
場所は札幌。
一度は行ってみたかった念願の雪まつりに、胸のときめきが止まらない。
「あいつ……何回あれをやるつもりなんだ…?」
「ホントですね…」
呆れている光瑠さんの横顔を眺める。
一面の雪景色。
そんな中にいる肌の白い光瑠さんは、本当にステキだ。
チラと私の視線に気付いた光瑠さんは、私の方を見て、ゆっくりと私の頰に触れた。
「寒くないか……」
「はい」
「頰が紅いぞ……」
「あぁ…空気が、冷たいからですかね?」
ふん……と息を吐いた光瑠さんは、自分のマフラーを外す。
「え…いや、大丈夫ですよ?」
「いいから巻いとけ」
「で、でも、私もう自分のマフラーしてるし…」
「いいからお前は俺の言う通りにしろっ…!」
突然語気を強めた光瑠さんに私は押し黙って、言われるがまま二重にマフラーを巻かれる。
大丈夫だって…言ってるんだけどなぁ……
それでも、そんな不器用な優しさが心地よくて、私はマフラーで隠れた口元を綻ばせてフフっと笑った。