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◇なななの短編◇
第11章 さっぽろ雪まつり!(B,近甘,ᙠ)
ようやく了承した光瑠さんを連れて、スノーモービルの列に3人で並ぶ。
愛花ちゃんと浩平くんは、さっき隼人がやっていた雪の滑り台をやると言っていたので、再びここで分かれた。
「………なんでこうなった…」
「別にいいじゃないですか……」
「お前といい隼人といいっ…人の弱みにつけ込んで……」
ぶつぶつと何かを言っている光瑠さんの隣で、隼人がルンルンとジャンプしている。
そんなに抵抗しなくてもいいのに。何がそんなに嫌なんだろうか。
「この俺が…っあんな風に人に振り回されるのかと思うとっ……」
そう言いながら、わーー!!と盛り上がっている人たちを見ている。
………なるほど…。
「……プライドが高いと…大変ですね」
「あぁ?」
「ほら、もうそんなに怒らないで下さい」
「俺は“有川 光瑠”なんだぞっ……人を振り回すことはあっても振り回されることは──」
「──分かりましたって…」
言葉を阻むと、光瑠さんはさらに不機嫌そうにした後、溜め息を吐いた。
「楽しみだね!ひかる!」
「………あ…ぁ…」
ぴょんぴょんと跳ねる隼人に光瑠さんが力なく返事をする。
やっぱり面白くてフフっと笑っていると、隼人が跳ねた弾みに後ろに並んでいた人の足を踏んでしまった。