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◇なななの短編◇
第11章 さっぽろ雪まつり!(B,近甘,ᙠ)



そのまた奥で、先ほどスノーモービルのところであった二人が見える。



彼女は、幸さんが言っていた桜子さんだ。



何度か東京で見かけたけれど、まさか札幌でも会うなんて驚きだ。



もっとも、私が一方的に知っているだけで、向こうは私のことは知らないが。





「綺麗ですねぇ……」



氷の彫刻を見ながら、彼女が呟く。



そんな彼女を愛しげに見つめる彼。




「………そうだな…。綺麗だ」




あれは彫刻に対して言っているんだろうか。


いや……きっと違う。



人目を憚らず、彼女の事を引き寄せた彼は優しく微笑んで、彼女の髪にキスを落とす。




3組の違ったカップル。


そのあり方はそれぞれだ────…





私たちは……?







そんな事を考えながら、前を向いて、その大きな背中を追い掛ける。




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