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◇なななの短編◇
第11章 さっぽろ雪まつり!(B,近甘,ᙠ)
突然、彼が歩みを止めた。
それに合わせて、私も歩みを止める。
どうしたんだろうか……。
不思議に思っていると、突然袖を掴んでいる手を振りほどかれた。
………えっ…なんで…
不安になって顔を上げる。
すると、店長は辺りを見回したあと、少しムッとしながら私の事を見つめた。
「……店長…?」
「…お前はホント……っ….」
「………?」
「……今日だけだ」
「え?」
「人が来たら即座に離す。分かったな」
訳が分からずに、首を捻っていると、突然手を握られて、トクンと胸が鳴った。
手を繋ぎたがってたの…やっぱりバレてた…っ?
嬉しいのと恥ずかしいので、顔が紅くなっていく。
「帰るぞ」
はい、と言葉に出せなくてコクンと頷く。
すると、グイグイとそのまま引っ張られるようにして前に進んだ。
「ったく…っ…」
イライラしている店長の背中を見つめる。
ガミガミうるさいし、私の事子どもみたいに扱うし、余裕そうにしてるし……
色々不満はあるっちゃあるけれど……
「店長……」
「ん」
「………すごい…楽しかったです」
「────────…」
「ありがとうございます……く…つ……とか…服……とかも…」
「………………………」
「………また……連れてって下さい…」