この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
◇なななの短編◇
第12章 なぁなぁな2人
お互いに失恋してヤケになっていた。
智は、大学時代から付き合っていた先輩と。
2個上のサークルの先輩でキラキラして見えた。
初めてちゃんと付き合った。今まで気にしたことのなかった服装や髪型を気にするようになり、これが恋なんだと思った。
彼が先に社会人になって…不安も多かったが、何とかこまめに連絡を取り合ってうまくいっていたのに、「好きな人が出来た」というあまりに普通の振り方で突然別れを切り出された。
樹は、小さい時からずっと幼馴染みを想い続けてきた。
きっと向こうも樹の気持ちに気付いていた。
でも、彼女も彼女で叶うはずのない相手を想い続けていて……
樹もそれを知っていたから、その寂しさを埋めてやるために始まった、体の関係。
体から始まる恋、なんていうものに幻想を抱いていたのかもしれない。
でもそれはやはり幻想だった。
いつまでも、別の男を想い続ける彼女と続ける身代わりのセックス。
それに堪え兼ねて、樹の方からその関係を終わりにしてしまった。