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◇なななの短編◇
第12章 なぁなぁな2人
お互い、その失恋の痛みを誤摩化すのが急務だった。
飲み屋でのナンパ。
どちらからともなく…な、ナンパという物が存在することに2人は驚いた。
目線を交わして…なんとなく、負っている傷が同じである事を察して…。
最初に声を掛けたのが、どちらだったのか、お互いに覚えていない。
話していくうちに、そのまま傷を舐め合う流れだったから、だから身体を重ねた。
智も樹も一夜限りを求めていたはずだったのだが───
あれから2ヶ月。
初めて身体を重ねた智の家で、2人はほぼ同棲に近いような生活を続けている。