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◇なななの短編◇
第2章 冬の思い出(近くて遠い)
「ったくっ…!!お前も力に物を言わせて雪を投げてるじゃ…ウッ…!」
再び唸った光瑠さんを見上げて私はバレないように笑った。
「──やはり、少しムカついたので倍返しさせていただきました。」
顔は見えないけど、きっと要さんはいたずら好きの少年のような顔をしているに違いない……
「っ…!」
「じゃあ僕は隼人と遊んできます。」
「ウッ、ウッ…!」
二回連続で光瑠さんが唸ると、ハハハと要さんの笑い声と遠くへいった足音が聞こえた。
「あいつっ…!やられた分だけとか言いながら何発もっ…!」
要さんの方を見ながら、そう呟く光瑠さんがおもしろくて、私はクスクス笑いながら光瑠さんに抱き付いた。
「お前は隙を与えすぎだっ!!!!」
頭ごなしに怒鳴られても怖くなかったのは、
光瑠さんの腕の中がぬくぬく温かかったからだ。
「おいっっ!!聞いてるのかっ!!」
「聞いてますよ…」
抱き付いたまま顔だけ上げると光瑠さんは口を引き結んで私をじっと見ていた。
髪の毛に雪がたくさんついてて、
どんだけ隼人と本気で雪合戦したんだろと思ったら、おかしかった。
「そうやってお前はすぐにヘラヘラと──」
「いつもイライラしてる光瑠さんに言われたくないです。」
「っ…!お前がヘラヘラしてるから俺がイライラするんだっ!」
よく分からないなぁ…
「笑うなってことですか…?」
「違うっ!!」
光瑠さんはそう叫びながら私を再び強く抱き締めた。
やっぱりよく分からない…
けど、幸せだなぁってすごく思う…
「頬が冷たいな…寒いか?」
光瑠さんは私の頬を少し強すぎるほど両手で挟んだ。
私はそのまま、いいえと首を横に振った。
「っ……」
何故か光瑠さんは軽く目を見開いて、チッと舌打ちをした。
えっ…?今どこかに怒る要素あったかな…?
「今の顔を絶対に他の男に見せるなっ…!!」
は?
「今の顔って…?」
不思議に思って尋ねると光瑠さんは再び私の頬を両手で強く挟んだ。
「この顔だっ…」
再び唸った光瑠さんを見上げて私はバレないように笑った。
「──やはり、少しムカついたので倍返しさせていただきました。」
顔は見えないけど、きっと要さんはいたずら好きの少年のような顔をしているに違いない……
「っ…!」
「じゃあ僕は隼人と遊んできます。」
「ウッ、ウッ…!」
二回連続で光瑠さんが唸ると、ハハハと要さんの笑い声と遠くへいった足音が聞こえた。
「あいつっ…!やられた分だけとか言いながら何発もっ…!」
要さんの方を見ながら、そう呟く光瑠さんがおもしろくて、私はクスクス笑いながら光瑠さんに抱き付いた。
「お前は隙を与えすぎだっ!!!!」
頭ごなしに怒鳴られても怖くなかったのは、
光瑠さんの腕の中がぬくぬく温かかったからだ。
「おいっっ!!聞いてるのかっ!!」
「聞いてますよ…」
抱き付いたまま顔だけ上げると光瑠さんは口を引き結んで私をじっと見ていた。
髪の毛に雪がたくさんついてて、
どんだけ隼人と本気で雪合戦したんだろと思ったら、おかしかった。
「そうやってお前はすぐにヘラヘラと──」
「いつもイライラしてる光瑠さんに言われたくないです。」
「っ…!お前がヘラヘラしてるから俺がイライラするんだっ!」
よく分からないなぁ…
「笑うなってことですか…?」
「違うっ!!」
光瑠さんはそう叫びながら私を再び強く抱き締めた。
やっぱりよく分からない…
けど、幸せだなぁってすごく思う…
「頬が冷たいな…寒いか?」
光瑠さんは私の頬を少し強すぎるほど両手で挟んだ。
私はそのまま、いいえと首を横に振った。
「っ……」
何故か光瑠さんは軽く目を見開いて、チッと舌打ちをした。
えっ…?今どこかに怒る要素あったかな…?
「今の顔を絶対に他の男に見せるなっ…!!」
は?
「今の顔って…?」
不思議に思って尋ねると光瑠さんは再び私の頬を両手で強く挟んだ。
「この顔だっ…」