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◇なななの短編◇
第12章 なぁなぁな2人
「ともちゃん」
「ん…?」
クルリと振り返った智の髪が揺れる。
胸までのパーマの掛かった巻き髪。
その毛先をチラを視野に入れたあと、樹は智の顔を見た。
「風呂、一緒に入る…?」
「………なんで…」
そういうのって、恋人がやる事…じゃないだろうか。
考え過ぎ……? そんな気もしてきた。
「いや、なんか、そろそろ場所変えたくない…?」
「え…お風呂場ですんの」
「どう?」
そういうことか……
樹は、黙り込んだ智を見ながら、ワイシャツの袖のボタンを外す。
「……するのが嫌なら、別に入るだけでもいいけど」
とにかく、なんかいつもと違うことをしたい。
そんな軽い気持ちの樹。
智は少し黙り込んだ後、分かった、と答えた。