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◇なななの短編◇
第12章 なぁなぁな2人



「っ…は…あっ…」



息も絶え絶えな状態で、智はゆっくりと樹の方へ体を向ける。


湯気が立ち込める中、樹の不安そうな表情を捉えて、智はゆっくりと跨がった。



……別にもう、ここでしちゃってもいい。


というか、体が疼いて、今すぐにでも欲しい…っ…



そんな事さえも思い始めている。



しかし……




「いつきくん……っ」




樹の首に腕を通した智は、樹の太ももに腰を下ろす。



「焦らすなってっ……」



樹のソレよりも、奥に座った智に、樹は余裕なくそう言うと、はぁ…と苦しげに智は息を吐いた。




「そうじゃなく…て…」



「……ともちゃん…?」



「ごめん……」




クタッと力が抜けた智を支えながら、樹は目を見開く。



「大丈夫っ…!?」



顔を覗き込むと、智の顔が異常に紅くなっている。



「のぼせちゃっ…た…」


「っ……ごめんっ…!」




ハッと我に返った樹は、そのまま智を抱えてお風呂場から智を出した。


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