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◇なななの短編◇
第12章 なぁなぁな2人
「水、飲みな」
「……ビール飲みたい」
「いや…とりあえず水にしとけって」
「う〜ん…」
仕方ない、とばかりに、樹が差し出したコップを掴む。
それを喉に流すと、体に水分が染み込んでいく感覚がした。
「ほんとごめん…」
「………」
「めっちゃ良かったけど……今後は我慢する」
樹の言葉に、智は、ふん…と息を洩らす。
我慢するって……
「それって、もうお風呂には一緒に入らないってこと…?」
「………」
「それとも、お風呂に入りはするけど、エッチなことはしないって意味…?」
「うーん……」
あぐらをかきながら、樹は考え込むように自身の顎を掴む。
「……2つ目…?」
「ちょっとっ…!ソレ絶対うそじゃん!」
智の突っ込みに、樹はハハと笑う。
確かに。
何もしないと言っておいて、結局智の体を触ってしまったし。
挿れないと言っておいて、結局挿れようとしてしまった。