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◇なななの短編◇
第12章 なぁなぁな2人
「なんか、みんながっついてて…」
「へー。 真剣に結婚相手探す…とかじゃねぇんだ?」
「今日の相手は……ちょっと違ったかなぁ」
そう答えながら、智は、スマホを再び充電器に差し込んだ。
そして、ようやく顔を上げて樹を見る。
すでに智から視線を外した樹は、アサヒの缶を眺めて、そうなんだ〜と呟いている。
この、感じ。
彼の真意は分からないけれど、私たちにそぐわない。
そんな事を思いながら、智は樹の前に座り込む。
「ヤりたいだけって感じの男ばっかだった」
智の言葉を聞いて、樹はハハハと笑う。
「そういう意味じゃ…」
「……うん…?」
「私は、間に合ってるかな…と思って」
ジッと見つめ合う2人。
トクントクンと智の心臓が跳ねる。
そんな中、樹は智に微笑むと、フッと近付いて、智の頰に触れた。
「……そうだね」
優しくそう囁きながら、智の唇を塞ぐ。
「────…」
顔を離した樹をジッと見つめながら、智は少しだけ顔を歪ませた。