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◇なななの短編◇
第12章 なぁなぁな2人
お互いに、お互いを嫉妬したり、されたりする事は何となく合わない気がした。
そういうドロドロとした感情は2人には必要がない。
少し奇妙な…でも心地の良い、関係。
樹は、智を引き寄せて、ギュッと強く抱き締めた。
「寝よっか」
「うん……」
「………ヤりたいけど」
「…う……ん」
「のぼせさせちゃったし…」
「……………」
「今日は…なんか…別にしなくてもいいや」
樹の言葉に智の胸がキュッと狭まった。
そして、うん…と返事をして、樹を抱き締め返す。
「それに…明日土曜日だし」
寝支度をしようと、体を離しながら、智は樹の言葉を聞いていた。
「明日、ヤリまくればいいよね」
「…え…ええぇ〜…」
「なにその反応…」
ぐったりと肩を落とす智を樹は片眉を上げて見つめる。
「ヤリ…まくる必要…あるの?」
「だってさ…俺一応さっき寸止め食らってるし…?」
「樹くんが悪いんじゃん」
「ともちゃんも最後はノリノリだったろ」
「……そんなこと…ない」
「とにかく…3回以上は明日しないと、欲求不満で気が狂う」
3回……
頭を抱える智を見て、樹がケラケラと笑った。