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◇なななの短編◇
第13章 もしもな2人(近くて遠い)
「大丈夫です。食べてますよ…」
「嘘っぽいですっ…!」
「────っ…」
顔を埋めていた真希がムッとしながら要の事を見つめる。
…見抜かれている…か……
少し困って要は誤摩化すように頭を掻くと、サラサラと黒髪が揺れた。
「…クマもあるし……」
そう囁きながら、真希はさらに心配そうに要の頰に触れる。
「真希さん……」
ああ……愛しい……
静かに言葉を返した要は、真希のその小さな手をギュッと握る。
それに、真希は軽く目を見開いて、顔を紅らめた。
そして、少し俯いて、はぁ…と溜め息を吐く。
「要さんが…お仕事が好きなのは知っていますけど…」
「……………」
「……もう少し、自分の体を大事にしてくださいっ…」