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◇なななの短編◇
第14章 ホワイトデースペシャル(bloʇbnilᙠ)

お得意のニヤニヤ顔に腹が立って、目をそらす。
「桜ちゃんの事考えたんでしょ…?ね?ね?」
また始まった…。
「るせぇよ。疲れてぼーっとしてたんだ」
「またまた〜〜。ちょっとにやけてたわよ」
「………っ…」
うぜぇ…。
持ってきた灰皿にタバコをもみ消す。
「何の用だ」
「……いや、ほら、きっと悩んでるんじゃないかなぁと思って」
「何が」
「ホワイトデーのお返し」
思わず、ギクっと体が動く。
幸は、この近くのクラブのオーナーだ。その経験からか知らねぇけど、この何でもお見通しって感じの態度が気に食わない。
まぁ、たまに頼る俺も俺…だが。
「何あげても喜ぶわよ?」
「……はぁ?」
何あげても喜ぶだぁ?
「達也だって、桜ちゃんになら、何もらっても嬉しいでしょ?」
「……………」
否定は出来なかった。
何をもらっても嬉しいというか…こっちの反応を気にしている桜の表情を見るのが楽しい…というか、なんというか、だ。

