この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
◇なななの短編◇
第14章 ホワイトデースペシャル(bloʇbnilᙠ)
「全然アドバイスになってねぇよ。余計迷うだろーがっ!」
照れ隠しにそんな事をいうと、うふふと幸が笑う。
はぁ…本気で時間がねぇ。
何か作るならもう材料でも何でも買いにいかねぇと間に合わない。
「何か甘いものは…?」
「いや、あいつ甘いの食わねぇから」
「へえ…そうなんだ〜さすが!彼氏さん何でも知ってるのね!」
彼氏…ねぇ…
付き合う前から知ってるけど、な。
桜は甘いものが苦手だ。てか、食わず嫌いな食べ物(主に野菜)が馬鹿みたいに多くて、克服させるのが俺の当面の目標……だが、まぁそれはまた別の話だ。
「ラブラブでいいわねぇ」
「…………」
バシバシと叩かれて、文句を言いそうになったがそれはこいつの思う壺だ。
大人な対応を心掛けて、グッと堪えていると、へっ…?と幸が声を上げた。
それに片眉を上げる。
ガラにもなく慌て出した幸は俺の方に向き直って、どーすんの!と小さな声で言った。
「は…?」
どーすんのって…何───
「お疲れ様です……」