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◇なななの短編◇
第14章 ホワイトデースペシャル(bloʇbnilᙠ)


「全然アドバイスになってねぇよ。余計迷うだろーがっ!」


照れ隠しにそんな事をいうと、うふふと幸が笑う。


はぁ…本気で時間がねぇ。


何か作るならもう材料でも何でも買いにいかねぇと間に合わない。



「何か甘いものは…?」


「いや、あいつ甘いの食わねぇから」


「へえ…そうなんだ〜さすが!彼氏さん何でも知ってるのね!」



彼氏…ねぇ…

付き合う前から知ってるけど、な。



桜は甘いものが苦手だ。てか、食わず嫌いな食べ物(主に野菜)が馬鹿みたいに多くて、克服させるのが俺の当面の目標……だが、まぁそれはまた別の話だ。




「ラブラブでいいわねぇ」


「…………」



バシバシと叩かれて、文句を言いそうになったがそれはこいつの思う壺だ。

大人な対応を心掛けて、グッと堪えていると、へっ…?と幸が声を上げた。



それに片眉を上げる。


ガラにもなく慌て出した幸は俺の方に向き直って、どーすんの!と小さな声で言った。



「は…?」


どーすんのって…何───



「お疲れ様です……」





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