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◇なななの短編◇
第14章 ホワイトデースペシャル(bloʇbnilᙠ)
不機嫌そうな、その声にハッとして振り向く。
「……桜ちゃん……早いのねぇ?」
無表情にしようとしてんだろうが、明らかに不機嫌。
しかもレベルで言ったら10でマックス、て感じだ。
「……幸さんは…何でいるんですか?」
「私? 時間があったから、ちょっと達也を冷やかしに来たのよ〜」
「……そう…なんですか…」
じっと考え込んでる桜を見て、あまり良くない展開だと思った。
てか……来るのが早すぎるだろ。
まだ何作るか、買うかも決めてねぇのに最悪だ。
「お前、もう帰れ」
桜を心配そうに見つめていた幸にそういうと、緩くため息をついて、そうねぇ…と言って歩みを進めた。
「桜ちゃん……あの…」
「はい」
「私、達也とかまるで興味ないから安心してね」
っ……るせぇな…
何で何も言ってねぇのに、俺は振られてんだよ。
「こっちこそ願い下げだ」
「と、まぁ、そういうわけだから」
そう言って、幸は目を丸くしている桜の肩を叩くとじゃあね、と言って消えていった。