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◇なななの短編◇
第2章 冬の思い出(近くて遠い)
「ひかる、ちゅうしちゃダメって何回も言ってるじゃーん!!!!!」


「いいぞ隼人、もっと投げろっ、ほら。」


ギクッとして少し身体をずらすと、要さんが作った雪の玉を仕切りに光瑠さんに投げる隼人がいた。


「ああぁっ!?
ったく!ふざけやがって!!」


「…真希さん、僕なら四六時中かわいいと言いますよ。」


「へっ…」


ニコりと笑った要さんの言葉に私は顔を真っ赤にさせた。


うそっ…!聞かれてたっ…!


「~~~~~!!」


怒った光瑠さんが足元の雪を掴んで固める。


「えぇっ!ちょっとっっ!きゃっ」


完璧なフォームを作って勢いよく投げられた光瑠さんの玉は───



ボスっ…



と音を鳴らして同じように完璧なフォームで投げられた要さんの玉に迎撃された。


「──本気でやるならやりますよ。」


「はっ!のぞむところだ。」



えぇ~~っ!!


ちょっとっっ!
大の大人が…

というか大企業有川商事の社長と副社長が
本気で雪合戦なんて…!!

「ちょっとっっ!二人ともっ!!きゃあっ」


あり得ないスピードで玉が行き交う…
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