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◇なななの短編◇
第14章 ホワイトデースペシャル(bloʇbnilᙠ)
「お前には相談しない」
「……なん…でっ……!」
少し泣きそうな声。
そして、なんとかして、俺から体を離そうとしている桜を離すまいと、俺は抱き締める力を強めた。
「………お前以外のことで悩みなんかねぇし」
ピクっと桜の体が震える。
30代半ばで、毎日同じような生活送ってるってのに、今更悩みなんかねぇよ。
いつも頭抱えるほど心配で……悩む内容なんて、桜のことだけ…だ。
「……店長のくせにセリフくさすぎ」
「あ? くさくないだろ別に。てか、店長のくせにってなんだ」
「………いつも……言うタイミングが…ずるいです」
「………それはお前だろ」
ようやく体を離すと、私?って顔をしながら俺のことを見上げている。
本当に…
2年半前に桜を雇ってから、俺はこいつに惑わされてばっかだ。