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◇なななの短編◇
第14章 ホワイトデースペシャル(bloʇbnilᙠ)
ポーッとした表情の桜を見つめながら、徐々に自分のスイッチが入っていくのを感じる。
ん……このままこの流れで2階まで行ったとして…色々間に合うか?
買い物にも行かなきゃならない。
いや、でもオムライスなら家にあるもので出来るか?
とは言っても、一応お返しだからな。ちょっといい卵買ってやりてぇし…
あれこれとこれからの予定を考えていた最中、桜はギュッと俺に抱き付いてきた。
「あ、とっ……」
「………あと?」
「…………『スキ』って…ケチャップで…書いてくださいっ……」
耳元で囁かれて軽く目を見開く。
「……………なんじゃそら…」
…………どんな要求だよ…。急にキャラ崩壊しすぎだろっ…
「……いつも店長……そういうこと言わないし…っ……」
「……なんで“義理チョコ”のお返しにそこまでしなきゃなんねぇんだよ」
対処に困ってわざと意地悪く囁き返す。
すると、桜はぼんやりと俺のことを見つめながら、唇を塞いできた。
「……ハァっ……」
「んっ……」
何となくデジャヴだ……。
このままここでってのは、まずくないか?って気持ちと、状況的には結構燃える気持ちと……
とにかくもう仕込みとか買い物とかを考える余裕は俺にはなくなっていた。